2025.4.27

こんにちは。
素敵な違和感がある複調について、今日もお話しさせてくださいね。今回は『(ピアノで)右手と左手が、違う調の音楽を弾いているよ』というお話です。
前回、『メロディと伴奏の調 (音階) が違う』音楽を聞いてもらいましたね。あのときは、右手がメロディ、左手が伴奏を弾いていました。つまり、右手と左手は違う調の音楽を弾くということ!それって正直、クラクラするほどややこしいですが、楽しいです!

ピアノの楽譜を見たことがある人は、その楽譜を思い出してみて下さい。例えば、ト音記号の横にシャープ♯が1つついていたら、ヘ音記号の横にもシャープ♯が1つついていましたね?(そう、調号といいます)
これは右手と左手が、『同じ調 (の音階を使った音楽) を弾いていますよ』という約束を示しています。
でも複調は右手と左手が、『違う調 (音階) の音楽を弾いている』ということでしたから、約束を守っていないことになりますね、、、 それでもいいの?うーん、ダメかもしれませんが、もう少し続きを話させてくださいね。 ここで、前回も聞いてもらった『メリーさんのひつじ』を、もう一度お聞きいただけると嬉しいです。
この曲の前半が、そう複調でした。その部分を右手と左手、別々に聞いてみると、、
右手のメロディはハ長調(の音階のド.レ.ミ.ソ)で、左手の伴奏はホ長調(の音階のミ.ファ♯.ソ♯.シ.レ♯)で、出来ています。
共通しているのは、ミだけ。おまけに、レとレ♯、ソとソ♯、不協和な響きがする半音の箇所が2つもある!そりゃ合わないのに決まってる!何してるの!ですよね。まさに『混ぜるなキケン』です。
ついでに、もっとキケンなやつも聞いてみましょうか?
こちらの右手のメロディはハ長調、左手の伴奏はハ短調の音階で出来ています。性格の違う長調と短調が、組み合わされている!合わないのは当然でしょ!ですが、不思議な魅力を感じませんか?そう思うのは私だけかしら、、?
動画で聞いて頂いた音楽は、長調や短調を使っていましたが、実際の作品での複調は、長調、短調以外の音階*も使われています。なにとなにを組み合わせるか、そこは作曲家のセンス次第ということなんですね。
と、ここで疑問を持たれた方が、おられるのではありませんか?なぜ作曲家は、この技法を使って曲を書いたのか?と、、、。 そこには、さまざまな理由があると考えられます。次回はそのあたりのことを、おはなししたいと思います。
今日もここまでお読みくださって、ありがとうございました。
なにか感想もらえたら嬉しいです。もちろんいいねも!
ではまた、次回お会いしましょう。エリとティコでした。
*長調 (長音階) 短調 (短音階) 以外の音階として、旋法-もともと中世の教会で使われていた教会旋法、民族固有の音楽が持っている音階、近代になって用いられ始めた新しい音階などがあります。

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