ー 複調って、なあに?- その3
ややこしい複調の音楽が大好き、エリです。

20世紀に入った頃から*、一部の作曲家は新しい表現方法を求める様になりました。複調は、そのような新しい音楽表現のひとつだと言えるでしょう**。
複調は二個の調を同時に使う特殊な音楽表現ですが、調の数に関係する表現方法は他に、多調(三個以上の調を同時に使う!)、無調(調をはっきりと感じられない!)などがあります。どれもとんがってますよね。

その中で、私は特に複調に興味があります。三つ以上の調(多調)や調がない音楽(無調)を聞いて、それとわかる事は難しいけれど、二つの調ならわかることが出来そうだからです。

ここで、複調に興味を持つきっかけとなった、あるピアノ曲をお聞きください。民謡のメロディが3回繰り返されますが、2回目3回目はメロディと違う調で伴奏がつけられています。
この曲の1回目のメロディと伴奏は、同じ調(ハ長調***)です。ですから、ハ長調のメロディが記憶にある中で、2回目、3回目と違う調の伴奏****をきくことで、複調に気づくことが出来ると思います。この曲を聴いて、複調に興味を持ってもらえたら嬉しいのですが、、、
また複調について書きたいと思います。
ではまた次回お会いしましょう。エリとティコでした。

*厳密に言えば、19世紀後半からその動きはありました。
**それ以前にも複調はありましたが、このブログでは20世紀以降の、新しい表現手法としての複調を取り上げています。
***連続した5つの音しか使われていないので、厳密にはペンタコード(5音階)ですが、調として考えたいのでハ長調としています。
****ハ長調とイ短調(2回目)、ハ長調と倍音列音階(3回目)の組み合わせで書かれていますが、もし1回目のハ長調の提示がなくそれぞれの部分だけを聴けば、2回目はエオリア旋法、3回目は変化音を含むハ長調または倍音列音階と解釈することも出来るかも知れません。
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