ー 複調ってなあに? その4 ー
複調は同時に二つの調性が使われる音楽です。
今回はアニメ映画『となりのトトロ』につけられた、複調の音楽について紹介させてくださいね。

アニメ映画『となりのトトロ』では、トトロが見える子ども達の世界とそれが見えない大人達の、二つの世界が平行して描かれています。そして、この映画には、二つの調を持つ複調の音楽が使われているのです。
この映画の中の音楽《風の通り道》*では、メインメロディが、違う調で同時に演奏される箇所があり、それは二つの世界をそれぞれ表現しているように感じられます。
実際には、この曲は映画より先に書かれているので、作曲者に二つの世界と音楽を関連づける意図はなかったのかも知れませんが、このように解釈できることは面白いと思っています。
ではまたお会いしましょう。エリとティコでした。

*久石譲 (1950- ) 作曲 原題は《The Wind Forest》 ピアノ曲集 『ピアノ・ストーリーズ』(1989年)に収められている。該当する複調の箇所は、56-64小節で、ハ短調とト短調(ハ調エオリア旋法とト調エオリア旋法)が同時に使われている。
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