— 複調ってなあに? その6 ー
日本では、ミニマルなライフスタイルが注目されていますが、実は音楽においても、ミニマルなスタイルの音楽があり、ミニマル・ミュージック*と呼ばれています。これは、ミニマルに切り詰められた音素材(少ない音やリズム)の反復が繰り返される音楽で、1960年代頃から作曲されるようになりました。

今回は、このミニマルミュージックの特徴と、複調の要素の両方を持つ作品として、ロシア人作曲家イーゴリー・ストラヴィンスキーが書いた『弦楽四重奏のための三つの小品Ⅰ』(1914)を取り上げたいと思います。
ここでは、少ない音の数から作られたメロディや伴奏が、それぞれの楽器によって繰り返されます。またそれらは複調の関係にあるので、複調もまた繰り返されることになります。
この作品は、アメリカにおけるミニマルミュージックの発生より以前に書かれたにもかかわらず、ミニマルミュージックと似た要素をもつことに興味を覚えます。また複調が組み合わされたことで、ミニマルミュージックの特徴のひとつである繰り返しに伴い、複調もまた繰り返される点がとても面白いと思いました。

この曲の中で、ずっと続くということですね
ご意見、ご感想などいただけたら幸いです。
ではまた次回、お会いしましょう。エリとティコでした。

*1960年ごろから、アメリカの作曲家ライヒ、ライリー他によって作品が書かれました。
**第一ヴァイオリンは、四つの音だけで作られたメロディ(ソラシド)第二ヴァイオリンは、四つの音の順次進行(ファ♯→ミ→レ♯→ド♯)による一つの音型を繰り返します。ヴィオラはたった一音レのみ、チェロは三つの音(ドレ♭ミ♭)からなる音型を繰り返します。
コメントを残す